中国映画『梁山伯と祝英台』パンフレット

1955年、日本で公開された中国映画『梁山伯と祝英台(梁山伯與祝英台)』のパンフレット。
香港の同名黄梅調映画に多大な影響を与えたと言われている作品です。
1952年、全国演劇コンクールで好評を得た越劇『梁山伯與祝英台』を中央電影局上海電影
製片廠が中国映画初のカラー作品として映画化したもので、1954年に完成、その年のジュネーブ
平和会議(5月)でも上映されて、チャップリンをはじめとする多くの外国人が鑑賞しました。
日本では映画館における一般公開ではなく、劇団俳優座・東京華僑総会・日本中国友好協会の
3団体主催による貸ホールでの上映会形式で公開が行われたようで、
パンフレットには「1955.3.14(月)芝共済会館4階ホールにて」との、旧蔵者の書入れが見えます。


表紙。
「中央電影局上海電影製片廠製作」「第八回国際映画祭音楽映画賞受賞」とありますが、この「第八回国際映画祭音楽映画賞受賞」とは、1954年の第8回カルロヴィヴァリ国際映画祭(チェコ)で音楽映画賞を受賞した事実を指しています。
この他、1955年には第9回エジンバラ映画祭に出品され、映出賞を受賞しました。


杭州へ向かう途上、義兄弟の契りを結ぶ梁山伯と(男装した)祝英台。
向かって右が山伯、左が英台。


雌雄の蝶となった2人が天界へと旅立っていくラスト。
向かって左が英台、右が山伯。


故郷へ帰る英台を山伯が見送る場面。
向かって右が山伯、左が英台。
こちらは香港の電懋版『梁祝』。
邵氏のそれが中国映画の影響を受けつつも自由な
解釈と発想を加えているのに対して、電懋版は中国
映画の影響を色濃く残しているらしいことが、この写
真からはうかがえます。
向かって右が英台を演じた尤敏、左が山伯を演じた
李麗華。


桑弧監督。
黄沙監督。
舞台の演出も行いました。
作曲を担当した劉如曾。
梁山伯を演じた范瑞娟。
祝英台を演じた袁雪芬。



佐藤春夫が寄せた推薦文。
「こんなおおどかな神仙界にも似た世界は今日、
中国映画の外にはまづあるまい。これは最も尊い」
といった記述が見えます。
この他、木村荘十二や尾上九郎右衛門、内村完造、
京マチ子、新藤兼人、等の著名人がコメントを寄せ
ています。











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