1959年の畢打街




昨日、自宅で恐怖の4本立て上映(『四千金』『梁山伯與祝英台』『続社長洋行記』『香車美人』)を楽しみました。
ひどい腰痛になりました。

最後に観た『香車美人』(1959)の冒頭、香港島の中環(セントラル)の実写映像が流れましたが、その内の畢打街(ぺダー・ストリート)の映像がなかなか興味深かったです。
香港に行かれたことがある方ならご存知と思いますが、1階に「上海灘(つぶれたかと思っていたら、まだまだ健在です。サイトはこちら→http://www.shanghaitang.com/shanghaitang/index.jsp )」のある畢打行(ペダー・ビル)が、中央奥にはっきりと映っております(写真内、矢印で示したビル)。
めまぐるしく変化する街・香港にも、こんな風に昔のものが今なお残されているのです。

それから同じく『香車美人』で、主人公の若夫婦(葛蘭、張楊)が中環のスターフェリー乗り場前にある広大な駐車場で待ち合わせをするのですが、地図(『香港街道地方指南』)で調べたところ、どうやらそこは現在の大會堂(シティ・ホール)のある辺りのようでした。
そんなことを確かめながら映画を観るのも、また楽しいものです。

そういえば、『四千金』(1957)のやはり冒頭、四姉妹(だから四千金です)がいつも立ち寄る士多(しーとお。storeの音訳。雑貨屋さん〔今風の意味ではなく〕みたいなもの)で流れている音楽が、なんと『マンボ・マニラ』。ティト・ロドリゲス楽団のラテン・ジャズです。渋すぎ。
この他、長女と三女がマカオに行く場面では、『ポルトガルの4月(コインブラ)』が流れたりして、なかなかナイスな選曲(死語)なのですが、果たして元のフィルムの時からこれらの曲が収められていたものか、それともDVD 化するに当たって新しく付け加えられたものか、ちょいと疑問が残ります。
かりに元から収録されていたものだとしたら、電懋(『四千金』の製作会社)のセンス、恐るべしです。
在り物の曲をふんだんに使って、著作権の問題が気になるけど・・・・

(2003年8月16日記)





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