飛べ飛べ生首! 1
(『悪魔の生首』)
主なスタッフ | |
製作:鄒文懐、劉志中 | 監督:羅維 |
脚本:羅維 | 撮影:張耀祖 |
特撮:西垣六郎 | 音楽:顧嘉〔火軍〕 |
録音:周少龍 | 編集:張耀宗 |
主なキャスト | |
唐:柯俊雄 | 家駒の妻:池玲子 |
曾家駒:田俊 | 家駒の母:歐陽莎菲 |
林家の若主人:石天 | 林家の使用人:呉家驤 |
第2夫人:黄蘭 | 唐の下僕:李昆 |
第2夫人の従兄:王Chen |
あらすじ
※おことわり:女将が観た本作のDVDは、「広東語、中英文字幕無し」バージョンだったため、ストーリーにおける細かいニュアンスの点で(聞き取りに)誤りのある場合が考えられます。何か訂正事項がありましたら、掲示板にて御教示下されば幸いです。よろしくお願いいたします。
民国初期。
居酒屋を営む曾家の若当主・家駒の妻(池玲子)は、富豪である林家の若主人(石天)に言い寄られて迷惑していました。
今日も、使用人(呉家驤)を従えて店にやって来て、いやがる彼女を無理やり奥の部屋へ連れ込み、手篭めにしようとします。
慌てた家駒の母(歐陽莎菲)は、外出中の家駒(田俊)を呼びに走りますが、2人が駆けつけると、そこには若主人の死体があるのみで、妻は逃げ去った後でした。
怒った林家の当主は、家駒を殺人罪で訴えます。
この事件を裁くことになったのが、裁判官の唐(柯俊雄)。
事件の仔細を尋ねる唐に対して、林家の使用人は、家駒の妻が若主人を誘惑して姦淫に及び、そこへやって来た家駒が妻を逃がした上で若主人を撲殺した、つまり夫婦はグルであったと、ウソの証言をします。
さらに林家は、財力に物を言わせて唐に賄賂を送り、裁判を有利に運ぼうと考えますが、唐は頑として賄賂を受け付けません。
しかし、唐の第2夫人(黄蘭)は欲深な女で、愛人関係にある従兄と結託、唐に賄賂を受け取らせた上で、その金を横取りしようと画策します。
林家の意を汲んだ第2夫人の従兄(王Chen)は、故郷の家に残してきた唐の第1夫人が重い病に罹って医療費の工面に悩んでいることを知ると、受け取った金を医療費に当てればいいと言葉巧みに迫り、結局、唐は賄賂を受け取ってしまいます。
かくて家駒には死刑の判決が下され、斬首に処せられるのでした。
その頃、家駒の妻は、林家に囚われの身になっていました。
自分の夫が身替りとして捕らえられたと知った彼女が、林家の当主に夫の処刑が取り消しになるよう懇願すると、彼女に下心のある当主は、自分に身を任せれば願いを聞いてやろうと言います。
一方、賄賂を受け取って偽りの判決を下した唐でしたが、家駒の処刑後、唐のもとには家駒の亡霊(生首)が現われるようになりました。
林家の下女から家駒が処刑されたことを聞いた妻は、夫の仇を討つことを密かに決心、林家の当主の申し出を聞き入れ、閨を共にします。
事が済んで、何も知らない林家の当主が寝入っていると、妻は当主の身体へ刃物を何度も何度も突き刺して復讐を遂げます。
しかし、迫り来る追手から逃げ切れなくなった彼女は森の中で首を吊り、夫の後を追うのでした。
家駒に続いてその妻も亡くなったことで、唐のもとには妻の亡霊までもが訪れるようになりました。
そんなある夜、第2夫人が従兄と情事に耽っていると、その現場を垣間見た唐が従兄を家駒の亡霊と見間違えて、殴り殺そうとします。
虫の息になった従兄の姿を見て正気に返った唐は、第2夫人が浮気をしていたことを責めますが、逆に第2夫人は「あなたは従兄を殺した。黙っていて欲しかったら、この間受け取った金を全部寄越せ」と脅してきます。
うろたえた唐はその条件を受け入れますが、実は従兄は死んだ振りをしていただけでした。
証拠を隠滅するため、唐は第2夫人と2人で従兄を庭の池に捨てようとするものの、従兄がとっさに第2夫人の着衣を掴んだため、従兄と第2夫人は池に落ちてしまいました。
唐は2人を助けようとしましたが、2人が死んでくれれば金を横取りされる心配もないという考えが閃き、そのまま見殺しにしてしまいます。
やがて、故郷へ帰ることになった唐は、下僕(李昆)らと共に道を急ぎますが、日も暮れてきたので、近くの宿屋で一夜を過ごすことにしました。
と、そこにはなぜか、曾夫婦の遺体を収めた棺が安置されています。
事情を尋ねる唐に、宿の主人は、墓を作る金がないためここで預かっていると説明し、この辺りの噂では、裁判官が金に目がくらんで偽りの判決をしたらしいと言われていると話します。
唐と下僕は気分を害しますが、この周辺には他に宿屋がないと知り、仕方なく、ここに泊まることにするのでした。
部屋へ落ち着いた唐が荷を解いていると、家駒の亡霊が現われて唐を苦しめます。
すっかり怖気づいた唐は、下僕たちに自分と同じ部屋で寝て欲しいと願い出、従者は唐の部屋で寝ることになりました。
が、真夜中、下僕たちは麻雀を打つために唐を置いて部屋を抜け出してしまいます。
目を覚ました唐が、誰もいなくなったことに気付いて部屋を出ると、そこへ家駒の妻の亡霊が登場、胴体から首だけが抜け出て唐のもとへ飛んできます。
命からがら逃げ出した唐は、近くにあった居酒屋へ逃げ込み、「恐ろしい生首を見た」と店の主人や客に話しますが、そこにいた人間たちもみんな幽霊で、生首の姿になって唐を驚かします。
その後、第2夫人や従兄の亡霊も現われて、追い詰められた唐は部屋へ戻るものの、今度は家駒の生首が彼を襲い、逃げ切れなくなった唐は2階の窓から転落、ついに絶命するのでした。
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